|
|
|
|
 |
|
第16号 2013年1月
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山本ひろし参院議員(公明)が文教科学委員会で質問
2012年3月22日、山本議員が、
「脳しんとうとか加速損傷、頭部が激しく揺さぶられることでの静脈(じょうみゃく)が切れて血液等出るという、様々、脳に対する私たちのことはよく分からない部分があると思います。
私は、実は交通事故とかスポーツ事故で軽度外傷性脳損傷、MTBIと言いますけれども、脳のこれは神経線維(せんい)が切れていくという部分です」などと、武道必修化に伴う安全対策を質問し、文部科学大臣も、第一義は子供の安全を重視すると答弁しました。
文部科学省は後述のように、2012年7月に報告書をまとめ、脳しんとう・脳損傷の危険性を警告し、安全対策をとるべきことを呼びかけています。また、山本さんが指摘するように、脳はまだ分からないことが沢山あり、脳を損傷しているのに、脳損傷が見逃されている現実があるのです。逆に、死んでいないのに「脳死(のうし)」に持ってゆこうとする動きもあり、人間の認識の進歩と分からない部分が沢山あることを踏まえた対応が必要です。
|
|
|
|
|
|
山本議員が、友の会の2012年12月例会に祝電――その中で、公明党は2012「6月に軽度外傷性脳損傷対策プロジェクトチームを結成いたしました。今回の衆院選のマニフェストにも明記しており、今後も課題の解決に全力で取り組んで参ります」と述べています。
|
|
|
|
|
|
|
渡辺孝男参院議員(公明)が厚生労働委員会で質問
2012年6月19日、渡辺議員がMTBIについて質問し、津田弥太郎(やたろう)厚生労働政務官が、 「(2011)5月27日の決算委員会で渡辺議員から、軽度外傷性脳損傷につきまして、自賠責保険や労災保険の認定が適切にされていない原因は基準が確立されていないことにあるという御指摘を受けまして、高次脳機能障害についての研究班に急遽(きゅうきょ)追加的に、高次脳機能障害支援拠点機関に相談のあったもののうち画像所見のない症例収集をしていただくことになりました。」などと答弁。厚生労働大臣も「(2012年度)新たに開始されました高次脳機能障害者の社会参加支援の推進に関する研究の研究班で詳細に症例分析等を行うことが考えられます。」と、今後の対応を答弁しています。
そうすると、年度末(2013年3月)以降、この研究班における症例分析などがまとめられるわけですが、MTBIを一番知っている石橋先生の1000症例(体系的・学際的な神経学的検査による確定診断)は、これには含まれないことになります。
|
|
|
|
|
 |
- 2 -
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
友の会も民主党・厚生労働政務官に陳情
友の会は、一刻も早い労働認定基準の改正を求め、2012年8月22日に民主党の今野東(あずま)参院議員の紹介を経て、小林正夫・梅村さとし両参院議員に党としての陳情、8月31日に前述の津田政務官、9月19日に藤田一枝(かずえ)政務官に相次いで陳情しました。(9/8九州で藤田さんに陳情)
津田さんは、MTBIの症状のひとつにすぎない「高次脳機能障害」にかんする研究班が、MTBIを正面から研究したものでないことも踏まえ、WHOのMTBI定義の国内導入に厚生労働省が消極的な理由について、当局に答弁させました。
同省労働基準局は、WHOは受傷後の急性症状を定義したので、後遺症の等級である精神・神経系統の障害認定基準に、MTBIの定義は直結しない、と答弁しました。
しかし、次のことが考えられます。
・労災の基準に、そのまま取り入れるかどうかは別にして、WHOの重要な定義・勧告を検討する必要がある。現行障害基準は2003年で、WHOの定義は2004年だから、はじめから検討しないのはおかしい。
・画像に見えないMTBIの診断方法は、体系的・学際的な神経診断学であり、1000症例が診断されている。MTBIを知っていて、豊富な症例経験がある専門家に聞くべきだ。
・現在MTBIと診断された場合、事故との因果関係は、まさにWHOのMTBIを定義を使うべきである。因果関係の判定はWHOの定義、後遺症の程度は体系的な神経学的検査による。
・医学常識に沿い、画像に見えなくとも包括的な検査により認めている労働基準監督署などもあり、行政の判断にばらつきがある。
労災職業病にくわしい藤田政務官は、MTBIの問題は研究や診断基準ではなく、迅速・公正な労災補償や予防であることを理解して下さり、方向転換をはかってくださいましたが、任期が終わってしまいました。
|
|
|
|
|
|
友の会が厚生労働省労働基準局・業務係長らと折衝
会員の労災審査請求で、審査官が鑑定ぬきに棄却しようとしたので、2012年11月6日、田村智子参院議員(共産)事務所に、厚生労働省の審理室と労災補償部業務係を呼び、ただしたところちゃんと鑑定することになりました。
そのとき厚生労働省に、労災認定基準改正についても話したところ、やはり改正には消極的でしたが、WHOのMTBI定義を否定しない、尊重している、と明言しました。
ところが、厚生労働省の東京労働局と、東京労働安全衛生センターの交渉でただしたところ、東京局はMTBIの疾患概念が確立していないかのごとき、きわめて否定的な答弁をしました。局交渉はほかの問題も山積していたので、その場では詰めませんでしたが、本省と地方局の認識の差は問題です。
|
|
|
|
|
|
東京労働局への要求:脳外傷後の経過において、MTBIを診断するに足る、しかるべき検査がされず、のちになって、体系的な神経学的検査によりMTBIが診断された場合、労災病院などにおける鑑定で、被災者の実情を踏まえ適切に対応すること。特にMTBIによる高次脳機能障害の患者に対して、精神障害の労災認定実務要領の「療養中の請求人からの聴取に当たっての留意事項」を参考に対応すること。(高次脳機能障害は、精神障害のひとつなので、行政当局などにおいて、ていねいな対応が必要です)
|
|
|
|
|
|
|
 |
- 3・4 -
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
 |
|
|
千葉県会 |
|
|
|
|
|
例会にも来て下さった、塚定(つかさだ)良治(りょうじ)県議(公明)が2012年6月25日、交通事故による後遺症問題を質問しました。
・千葉リハビリテーションセンターの入院患者で、外傷性脳損傷(TBI)の実態は?(塚定さんは、「この症状は多彩であり正しく理解することが難しく、診療科目を超えた取り組みが必要」と指摘)――過去5年間、TBI 128名が入院し、高次脳機能障害を有し、リハビリを実施(県の答弁)
・MTBIについて、実態の把握、講習会の開催をお願いしたい。 |
|
|
|
|
|
陳情・請願の採択 |
|
|
|
|
|
北区会 12.6.25 健康福祉委員会
上川委員長(公明)・福島副委員長(共産)のもと、
・稲垣委員(公明) やはり区民への周知徹底も図っていかなければいけませんし、また国に対してもしっかりと意見書を出していくべきだ。
・竹田委員(自民) 実際的に労災でも何例か認められているという話も聞いておりますので、画像だけではなくて神経学的検査所見がとれる体制を一日も早く構築してもらう。
・永井委員(共産) 患者さんの苦しみを少しでも和らげることにつながっていけばと、私も後押しが必要だと思っています。
・花見委員(民主) 当然補償とか制度の改善というのは必要かと思っております。
・福田委員(新社会) 皆さんおっしゃるとおりだと思います。 ということで、全会一致採択されました。
|
|
|
|
|
|
軽度外傷性脳損傷についての区民への啓発・周知と、国への意見書提出に関する件
(要旨)
1、「軽度外傷性脳損傷」について、区民への啓発・周知を図っていただくことを要望いたします。
2、他覚的な神経学的検査によって「軽度外傷性脳損傷」と診断され、外傷性脳損傷のため働けない場合、労災障害年金が支給できるようにするため、「労災障害認定基準の見直し」をするよう、北区議会から国に意見書を提出していただきたく要望いたします。
|
|
|
|
|
|
|
港区会 12.12.5 |
|
|
|
|
|
国への意見書:1 MTBIで障害年金が支給できるよう、労災認定基準改正を
2 他覚的・体系的な検査法の導入
3 教育機関への啓発・周知
|
|
|
|
|
|
|
品川区会 12.12.7 |
|
|
 |
|
|
国への意見書:1 MTBIで障害年金が支給できるよう、労災認定基準改正を
2 教育機関への啓発・周知
|
|
|
|
|
|
|
足立区会 12.12.20 |
|
|
|
|
|
国への意見書:1 MTBIで障害年金が支給できるよう、労災認定基準改正を
2 他覚的・体系的な検査法の導入
3 教育機関への啓発・周知
|
|
|
|
|
|
|
大田区会の議事録より抄録 (陳情採択は、既報) |
|
|
|
|
|
保健福祉委員会で、興味深い議論がされました。
・岡委員(民主) 包括的な神経検査であったり、そういったことをすれば、MTBIの診断が可能であるということだと思うのです。
・永井保健所長 軽度外傷性脳損傷、日本ではあまりそういう研究は進んでいないわけですけれども、非常にその臨床症状は多彩であると同時に、MRIとかCTではまず所見が出ませんので、いわゆる古典的な、神経学的診断学に基づいて、医師が漏れなく詳細な所見をとっていくことで証明していくしかない。
そして、なおかつその所見が外傷を受けた前にはまずなくて、外傷後出てきたものなのだということをきちんと証明しなくてはいけないということで、今どちらかというと、医療はそういうMRIとかCTの所見に頼る検査法があるので、問題になっているのは、そういう古典的な、神経学的な所見をきちんととれる医者が実は少ないということが問題になっています。
・しば委員長(公明) ありがとうございます。すごいよくわかりまして、すっきりしたというか、ありますけれども。
・清水委員(共産) 所長、ありがとうございました。私の頭もフル回転しました。
・しば委員長 恐らく石橋先生は、もう自分の生涯の、医師としての集大成にしたいというふうにやっていらっしゃるようなのですね。
・松原委員(自民) ただ、今心配しているのは、生活保護の関係でよくわからなくて、いろいろなことに難癖、難癖をつけるという言い方はおかしいのですけれども、悪用する方もちょっといるのではないかなと、心配があるのです。その辺を担保した上で、意見書を上げるのだったらいいのですけれども。
私も過去に、10何年間たつ中で、1、2件、やはりどこも悪くないのに、若い方です、中年の方ですけれども、生活保護を受けているという方がいらっしゃるので。とにかく何となく体がおかしいということで、のらりくらりと通院を受けている方が中にいらっしゃる。だからといって、これを否定するものではないのですけれども、そういった悪用性の危険性を排除した上での意見書だったらいいと思いますけれども、その辺のことも含めて、ちょっと慎重に考えたいと思っています。
・しば委員長 ですから、むしろ、松原委員、これは今、基準が未設定なわけですね、画像に出ないから。これをきちんと設定をされてくれば、かえって生活保護の方に今行く人が(労災)適用になってくれば、1級から14級もある中の何級というふうにきちんと設定してもらえれば、国のほうからの認定でもって出ますので、生活保護の方に何となくというのが、むしろ止められるのではないかなと思います・・・
大田区は、保健所長が高い見識を持ち、また、しば委員長が熱意をもって、要所を押さえ議論して下さいました。最後の議論が重要で、しばさんがおっしゃる通り、MTBIを診断するに足る、包括的な神経学的検査法により、不正が排除され、被害者が救われ、予防できます。 このような議論を踏まえ、石橋医師が実践している体系的な検査法の採用を、国に求める意見書が上げられた次第です。
|
|
|
|
|
|
 |
- 4・5・6 -
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
田村労災再発裁判
|
|
|
|
|
|
読売・医療ルネサンスに「ウサギを抱(かか)えた被災労働者」として紹介された、田村原告。
田村さんは、2004年に宅地造成現場で、土塊(どかい)が頭部に落下し被災。TBI(外傷性脳損傷)が見逃され、2005年労災の症状固定に。2009年に石橋医師がMTBI(軽度外傷性脳損傷)と診断。労災請求したが不支給となり、不服審査も棄却され、裁判に。TBIのため、働けず、困窮しています。
2011年12月に、石橋意見書が出され、
・現症は、TBIであること ・受傷後の意識障害が、WHOのMTBI定義を満たすこと ・当初のカルテは、検査不十分でTBIが見逃されたこと、が医学的に論証されています。
被告・国側は、関東労災病院の茂野医師が意見を出し、そこには、
・神が不可知なように、TBIの有無は不可知である
・「てんかん」と診断された人は、てんかんになってしまう
というふざけたことが書かれているので、被告もこれではまずいと、いろいろあがいています。
そして、2012年11月の被告書面で、受傷後数年を経過してTBIの症状が現れることは考えられない、と主張。しかし、原告側は、あとから発症したというのではなく、受傷後TBIが存在したが、誤診され、あとから正確に診断されたと主張しているのですから、被告は原告の主張を正解していません。
まだ、書面のやり取りですが、もうすぐ証人尋問です。
田村原告、全国労働安全衛生センターの記者会見に出演 12.10.30
「神奈川労災職業病センター」のホームページで、記者会見の動画をご覧になれます。友の会のエッセンスです。
|
|
|
|
|
|
次回の田村裁判 4/16(火)13:20横浜地裁502 ぜひ、傍聴お願いします。
|
|
|
|
|
|
 |
- 6 -
|
|
|
|
|
|
|
PDFファイルのご利用はご自宅のパソコンに「アクロバットリーダ」が必要です。まだインストールされていない場合は右のアイコンをクリックして「Adobe」ホームページからダウンロードしてインストールして下さい。 |
|
|
|
|
|